2007/10/08

「サン・ジャックへの道」

「サン・ジャックへの道」(コリーヌ・セロー監督・脚本)を観てきました。(公式サイト

サン・ジャックとは、フランス語で聖サンティャゴ(聖ヤコブ)のこと。そこに至る道とは、スペイン西北部のサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路であります。フランスのル・ビュイからピレネー山脈を越えて終着地点までじつに1500キロ。徒歩では2ヶ月以上を要するとか。

この映画は、巡礼路を辿るツアーに参加した人びとの人間模様を描きます。まあ、映画としてはぱっとしませんが、背景となる自然は素晴らしい。

フランスの雄大な緑の平原。8月の渡仏を思い出します。TGVやロートルートが通っていない田舎にはこんな雄大な風景が広がっているのでしょう。そして、険しいピレネー山脈を越えたスペインは荒涼たる砂漠。

1500キロの難行苦行を経てたどり着いた聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラのありがたみはいかばかりのものか。

じつは、わたくしもサンティアゴ・デ・コンポステーラに行ったことがあります。10年前に3回も。いずれも飛行機ですいっと到着しました。聖地のありがたみはほとんど感じない始末。

ちなみに、サンティアゴ・デ・コンポステーラは、イベリア半島がイスラムの支配下にあったころ、タイミング良く(ご都合主義的に)聖ヤコブの遺骸が発見されてカトリックの聖地となりました。以後、1492年にグラナダが制圧されイスラム勢力がイベリア半島から駆逐されるまで(コロンブスがアメリカを「発見」した年です)、レコンキスタ(再征服運動)の中心となっていました。この「サン・ジャックへの道」ではイスラム系の登場人物に聖地で「アラー・アクバル!」と叫ばせています。ここはよかった。

なお、サンティアゴ詣でを題材にした映画には、ルイス・ブニュエル監督の「銀河」(1968年)という作品もあります。監督の人の悪さが感じられるいい映画でした。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

NHKのBS-hiで「フランス 小さな村の物語」という番組が春先にあったのですが、そこらの巡礼の道も出てきていました。自動車が路駐してなけりゃ、中世そのもの、って感じがしますよね。一度は行ってみたいものですが..

匿名 さんのコメント...

貝印ですね、漁師だったから。ガソリンスタンドとは関係あるのかしら?ところでヤコブズラダーという常套句の意味はわかりますか?確かヒューイ・ルイスの楽曲にもあったような気がします♪

Kunihiko さんのコメント...

仰せのとおり、サンティアゴ、あるいは巡礼のシンボルはホタテ貝です。彼の地の地元料理(ガリシア料理)屋でホタテ貝を食べて、貝殻を貰ってきました。
ロイヤル・ダッチ・シェル社は巡礼とは関係ないようです。何でも日本の貝殻だそうな。
Jacob's ladderという慣用句は初めて知りました。同名の映画があります。

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