2009/02/22

「ボルベール<帰郷>」(ペドロ・アルモドバル監督、2006年・スペイン)

ボルベール

陽光が降り注ぐ墓地。数十人の女たちが墓石を掃除しています。そして、吹き抜ける猛烈な風。このオープニングから見事な映画っぷりに引き込まれます。

映画を動かすのは女たちです。母娘、姉妹、母の母、隣人が、濃厚な関係で結ばれていることが、物語の進行につれて明らかになっていきます。女たちが、互いに深く結ばれていることを再認識する物語といってもいいでしょう。殺人の事後処理や幽霊のエピソードはかなり無理のある物語展開なのに、映像と演技の強さで納得させられてしまいます。

ちなみに、本作では女たちが頬を寄せ合って音を立ててキスする場面が多いように思いました。彼の地の習慣とはいえ、濃いなあ。

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