東京は八重洲の洋食屋での出来事です。
古びて重厚ささえ感じる店内には、ボーイさんたちに混じってお年を召されたご婦人が二人フロアを回っています。落ち着いたたたずまいは、おそらくオーナーでしょう。そして、どことなしか風貌が似ています。
片方の人がテーブルに近づいてきたとき、思い切って「ご姉妹ですか?」と尋ねてみました。すると、一瞬むっとしたような顔をして口をきいてくれません。
もう片方の人にも聞いてみました。「ご姉妹ですか?」
すると朗らかに答えて曰く、「あれは娘なんですよ。私、今年で八十四。二十歳のときの子供なの。」いやぁ、ご婦人の年齢は難しい。
その後、テーブルの傍らで歓談することしばし。古びたお店もさることながら、お店とともに年月を重ねてきたお母様も名物に違いありません。
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