2009/05/31

「我が至上の愛 〜アストレとセラドン」(エリック・ロメール監督、2006年)



エリック・ロメールが80歳半ばを過ぎた頃に作った作品。17世紀の古典小説を映画化したというと格調が高そうに聞こえますが、なかなか人の悪い仕掛けにあふれていて楽しめます。

まず、5世紀のガリアを舞台にした17世紀の小説を、17世紀の視点で映画化した構造。ゆえに、登場する風俗は5世紀のガリアというよりは17世紀のフランスです。鎌倉時代初めの話を江戸時代の風俗で演じる歌舞伎のような仕組みですな。

物語は無造作に、ご都合主義的に展開します。最大の見せ場は、女装した美青年が、それと気づかぬ恋人に触れる後半の一連の場面。もどかしさとサスペンスが交錯する映画の楽しみ。

映画の大半は、陽光があふれ心地よさそうな風が吹く屋外の場面です。作者の奸計を楽しむのとは別に、幸福な気持ちになります。

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