2009/02/22

「ボルベール<帰郷>」(ペドロ・アルモドバル監督、2006年・スペイン)

ボルベール

陽光が降り注ぐ墓地。数十人の女たちが墓石を掃除しています。そして、吹き抜ける猛烈な風。このオープニングから見事な映画っぷりに引き込まれます。

映画を動かすのは女たちです。母娘、姉妹、母の母、隣人が、濃厚な関係で結ばれていることが、物語の進行につれて明らかになっていきます。女たちが、互いに深く結ばれていることを再認識する物語といってもいいでしょう。殺人の事後処理や幽霊のエピソードはかなり無理のある物語展開なのに、映像と演技の強さで納得させられてしまいます。

ちなみに、本作では女たちが頬を寄せ合って音を立ててキスする場面が多いように思いました。彼の地の習慣とはいえ、濃いなあ。

2009/02/20

ごきょうだいですか?

東京は八重洲の洋食屋での出来事です。

古びて重厚ささえ感じる店内には、ボーイさんたちに混じってお年を召されたご婦人が二人フロアを回っています。落ち着いたたたずまいは、おそらくオーナーでしょう。そして、どことなしか風貌が似ています。

片方の人がテーブルに近づいてきたとき、思い切って「ご姉妹ですか?」と尋ねてみました。すると、一瞬むっとしたような顔をして口をきいてくれません。

もう片方の人にも聞いてみました。「ご姉妹ですか?」

すると朗らかに答えて曰く、「あれは娘なんですよ。私、今年で八十四。二十歳のときの子供なの。」いやぁ、ご婦人の年齢は難しい。

その後、テーブルの傍らで歓談することしばし。古びたお店もさることながら、お店とともに年月を重ねてきたお母様も名物に違いありません。

2009/02/15

「私の鶯」(島津保次郎監督)

昨日の「ホットファズ」に続き、今日は「私の鶯」を観ました。



どちらも、にいがた国際映画祭の上映作品です。いつもはがらがらの(失礼)シネウィンドが満席でした。

その後、オーバーホールの終わった水没カメラ・レンズを受領。全体に以前より動作が快調で、きれいになりました。災い転じて福と成しておきましょう。

2009/02/14

「HOT FUZZ/ホットファズ」(エドガー・ライト監督、2007年・英国)

ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ [DVD]公式サイト

イギリスらしいコメディセンスです。ひとことでいえばブラック。「モンティ・パイソン」にも通じます。「モンティ・パイソン」が彼の地で放映されていた頃、この世に生まれたエドガー・ライトという監督。その精神をしっかりと受け継いでいます。

主役の二人以上に、爺さん・婆さんたちが大活躍するのが、またイギリスらしいところ。

ストーリー展開はちょっともったりしているけど、目まぐるしいカット割りが映画好きっぽさを感じさせます。

2009/02/08

「チェ 39歳別れの手紙」(スティーブン・ソダーバーグ監督)



チェ・ゲバラの生涯を描く二部作の後編です。

キューバ革命前と革命後が交錯した前編と打って変わって、ボリビアでの戦いが時系列でたんたんと描かれます。劇的な高揚がまったくないたんたんぶり。それでも、しかもゲバラが死を迎えることが分かっていても、最後まで目が離せません。

ヒーローであるべきゲバラは、徹底してヒロイックには描かれません。薬を失って喘息に苦しむゲバラの呼吸音(ラッセル音)は、自分も喘息持ちなのでいたたまれないほどの生々しさです。

革命に成功したキューバでも、不首尾に終わったボリビアでも、ゲバラは同じように生きた。それを伝えたいという意欲は伝わってきました。

2009/02/07

十番町付近

平成の街のなかに、ぽつんぽつんと昭和が残っています。









Ricoh GR DIGITAl II

2009/01/31

「The Who アメイジング・ジャーニー」(マーレイ・ラーナー監督)



イギリスのバンド The Who のドキュメンタリー。けっこう打たれました。

バンドの結成・デビュー、My Generation、Tommy、キース・ムーンの死、解散・再結成、ジョン・エントウィッスルの死。辿ってきた道のりは平坦ではありません。インタビューで過去を語るピート・タウンゼントの口調には苦々しさも覗きます。

キースとピートが死んだ後に残ったのはロジャー・ダルトリーとピート・タウンゼントの二人。対立することが多かった二人がついにお互いを認め合うに至る場面では、ちょっと涙腺が刺激されました。

若い頃の演奏には勢いがあふれ、ジジイになってからの演奏には懐の深さがあります。ローリング・ストーンズの爺さんたちは若いときのスタイルをストイックに維持していますが、The Whoの二人はハゲて体型が緩んで地味なものを身にまとっていても、枯れないジジイぶりを発揮しています。自分が目指すとしたらこちらですかね。いや、ハゲて体型が緩むかも知れないので。

ちなみに、The WhoのアルバムはLPで"Live at Leeds"と"Odds and Sods"(1974年のベストアルバム)を持っているだけ。どちらも、何十回も聞いた愛聴盤です。

2009/01/26

芸術新潮2月号・特集「なるか、世界遺産 国立西洋美術館のすべて」




ル・コルビュジェ設計の建築物の一つとして世界遺産に登録される(かもしれない)上野の国立西洋美術館。この美術館が完成するまでの顛末が面白い読み物になっています。日本側を振り回すコルビュジェの大物ぶりがなかなか。

この美術館は、松方幸次郞という個人が収集したコレクションを収容するために建造されました。第二次世界大戦終了までパリに保管されていたコレクションをフランス政府が日本に寄贈(返還)する条件が、美術館を用意することだったのです。松方が美術品を買い集めるときのお大尽ぶりがなかなか。

また、ルーブル特集のときよりはぐっとコンパクトながら、収蔵品、キュレーター、建物の詳細まで、いろいろ行き届いた紹介がまたなかなか。

2009/01/25

「ノン子36歳家事手伝い」(熊切和嘉・監督)



全体にもう少し深い練り込みがあったらいいな、という印象を持ちました。坂井真紀の主人公、星野源の年下君、鶴見辰吾の元夫、斉木しげるの父親、宇都宮雅代の母親、新田恵理のスナックママなどなど、せっかく役者も揃っていることですし。

ちなみに、本作はPanasonicのAG-HPX555というディジタル機材で撮影されたそうです。デビット・リンチの「インランド・エンパイア」よりはずっと映画らしいけど、ハイライトや輪郭線はやっぱり電気映像って感じですかね。静止画像ではディジタルが銀塩に勝っているけど、映画はまだまだ。

2009/01/24

冬の光

昨夜から雪が降っています。新潟のどんよりした冬空を見ていると、関東の柔らかい陽の光がなつかしく思われます。







大晦日、実家近くで撮影。カメラはKONICA Hexar。なお、水没したカメラのオーバーホール料金は「それなり」でした。ただいま修理中。

2009/01/22

「青い鳥」(中西健二・監督、2008年)



ひりひりするような緊張感の続く作品でした。まず、阿部寛が演じる中学校の教師がどもりながらしゃべる(重松清の原作の設定とのこと)ときの沈黙に気持ちが張りつめます。くわえてこの教師が、先生、生徒、親からなる学校という集まりの中で徹底して異物であることが映画全体を貫く緊張感を生み出しています。ありきたりな言葉を発する大人たちとかけ離れた異物こそが、生徒の心を震わせるという物語です。

じつは、本作の監督は大学の映画サークルで一緒だった人物です。映画界で20年を経てついに監督デビュー。おめでとう、中西。

(新潟ではDeKKY401のユナイテッドシネマで1月30日まで)

2009/01/19

青空文庫 on iPhone

iPhoneで青空文庫を読むためのリーダーを導入しました。あまたリリースされている同種のソフトの中で、たまたま選んだのは SkyBook



当方が必要とする機能は揃っています。
  • 明朝体、縦書き、ルビ表示
  • ヘッダ・フッターなしで本文をフルに表示
  • 作品ごとに読みかけページを自動保存
  • 青空文庫からの直接ダウンロード
大菩薩峠」もこれで読んでいたら、快適だったことでしょう。

残る問題はiPhoneのバッテリ寿命が短いことです。これはiPhoneが抱える宿痾で、外部バッテリを使う以外に解決策がありません。

2009/01/18

快晴



新潟市内は朝から快晴。角田浜までひとっ走りしました。気温は4度。体が冷えないようにひたすら走ります。

国道402号では、軽ワンボックスの後ろをぴったり走るピストを見かけました。すっとワンボックスの横に出たかと思うと渾身の力でもがきます。速い。弥彦競輪の出場者でしょうか。

内野漁港のあたりでは、水揚げしたタコをさばいて並べていました。内野の生ダコが食べられる季節です。

2009/01/17

「チェ 28歳の革命」(スティーブン・ソダーバーグ監督)



チェ・ゲバラの生涯を描く二部作の一作目。キューバ革命の勝利で終わります。もともとが一本の映画として作られたので、前編が終わったという印象。

ジャングルでの戦いと生活を描く場面の間に、後の米国訪問・国連演説の場面がモノクロ映像で挿入されます。米国訪問時のインタビューで発言した内容と、戦いの場面が微妙に連動する趣向。

ジャングルの場面は、ゲリラ戦の日常がたんたんと描かれているだけなのに目が離せません。面白い。逆に、サンタ・クララ市の戦闘場面は普通のスペクタクルになっていて冗漫に思えました。

ところで、ゲバラを演じるベニチオ・デル・トロは、目つきや鼻の下が古谷一行に似てますな。

2008/12/29

12月29日の那須塩原

快晴でした。



那珂川を渡って高台の那須街道に近づくあたりから路側帯が雪だらけ。危険、かつ、泥の撥ね上げがひどいので、那須街道を走るのは断念して折り返しました。帰宅後は、自転車の清掃。

2008/12/27

那須塩原市に移動

正月休みの初日、那須塩原市にある家人の実家に移動しました。磐越自動車道・東北自動車道とも、雪は多少降っていたもののおおむねスムーズ。3時間弱で那須塩原市に到着しました。

出発前に一騒動ありました。

出発の準備中、クローゼット内のカメラ保管棚で異変を発見しました。中のカメラがことごとくカビだらけになっているのです。

呆然としつつも、1台ずつカビをぬぐいながら状況を確認しました。とくに、保管棚の下の二段は、結露が進んで底に水が貯まっている状態。そこにあったカメラは内部もはげしく結露している様子です。しかも、そんなところに重要なカメラを入れてありました。

水没したカメラは乾燥させても内部がサビてしまうといいます。近所の中古カメラ屋に持参し、オーバーホールを依頼しました。持ち込んだのは、中判ボディ1台、中判レンズ2個(レンズシャッター)、中判カメラ2台、35ミリカメラボディ2台です。まずは、救えるかどうかを含めて見積もりを依頼しました。全部オーバーホールしたら、相当の出費も覚悟しなくてはなりません。

当家はマンションの角部屋にありクローゼットは外壁に接しています。壁と床の隙間から冷たく湿った風が吹き込み、床面にあったカメラ保管棚に当たって結露した様子です。カメラ棚以外ではほとんど結露がありません。

11月中頃まで撮影していて、そのころはまったく問題がありませんでした。その後、1ヶ月間の油断が命取りに。

しっかし、カビはすごかったですよ。カメラ本体の貼り革と獣皮製のケースにもっさりと繁殖。あまりのできごとに、デジカメで撮っておくゆとりがありませんでした。もちろん、気持ち悪くて、お見せできるような代物ではありませんが。

2008/12/26

言葉の宇宙、大辞林iPhone版

大辞林iPhone版は、もちろん三省堂の国語辞典「大辞林」のiPhone版です。このソフト、ただものではありません。

まず、縦書き表示です。フォントは美しいヒラギノ明朝。さらに、テキストをドラッグして選択するとその言葉にジャンプします。縦書き表示も、ヒラギノ明朝も、テキスト選択も現在のiPhoneには実装されていません。いずれも、このソフトが自前で抱えているのです。

そして、このインデックス表示。



上下左右にスクロールすると、収録された22万の言葉の上を漂うことができます。言葉をタッチすると言葉の説明が表示され、その中で気になる語句をドラッグするとそこにジャンプ。上下左右の二次元に深さが加わった三次元空間は、まぎれもなく言葉の宇宙です。iPhoneの小さな画面に宇宙を出現させるこのソフト、まったくもってただものではありません。

ちなみに、iPhoneにはiDicというソフトもインストールしました。これは、CD-ROMの辞書データ(EP-WING形式)を閲覧するものです。MacやPalmで使うために購入してきた広辞苑、リーダーズ・プラス英和辞典、クラウン仏和辞典がiPhoneに収まっています。

2008/12/21

遠藤実 実唱館

先頃亡くなった作曲家 遠藤実の記念館です。



国道402号沿い。いつもの自転車トレーニングコースの途中にありますが、止まって眺めるのは初めてです。大きな一般民家のような作り。当方はむさ苦しい自転車ウェア姿だったので、入館はご遠慮申し上げました。玄関の薄暗がりに、等身大の銅像らしきものが見えました。

2008/12/20

譫妄状態

金曜日の晩は飲み過ぎました。帰宅したところから記憶が消失し、気がついたのは朝。髪がばさばさなので、どうやら風呂には入った様子です。しかし、何かがおかしい。左腕を見ると、白い粉がまだらについています。腕だけでなく、左半身全体にも白い粉がまだら状に。

そのとき、洗面所から家人の声。「ハミガキ粉のチューブがベタベタになっている!」

そうです。譫妄(せんもう)状態だったわたくしは、保湿ローションの代わりにハミガキ粉を体に塗りつけていたのです。違和感があったわけだ。そして、風呂上がりにもう一つ変なことをやらかしていましたが、これは内緒。

記憶消失の代償は、激しい二日酔いです。午前中は起き上がれませんでした。12月の新潟には珍しい快晴の一日。午後は、体調の回復にあわせて信濃川の堤(やすらぎ堤)をゆっくりと自転車で走りました。

Garmin Edge800を新調

5年間の酷使で満身創痍のGarmin Edge305。ついに、Edge800の導入に至りました。 楽しい選択で迷ったのは他社のサイコンではなく、iPhone。Bluetooth接続の スピード/ケイデンス・センサー や、 心拍センサー を導入して、 Cyclemeter な...